トップアイドルは白衣の天使に恋をする

「紗凪さんお久しぶりっす」

奏くんがペコっと頭を下げる。

「久しぶりの再会が病院だとは…」

蒼依くんは苦笑い。

すると。

優朔さんが少しだけ視線を動かした。

「……七瀬さんは?」

その一言に。

私は一瞬だけ目を瞬く。

でもすぐ、

「梓ならER戻ってます」

そう答える。

「そっか」

短い返事。

でも。

なんとなく。

ほんの少しだけ残念そうに見えた。

……気のせい?

その時。

陽貴くんが私を見る。

「紗凪」

「ん?」

「優朔、ちゃんと大丈夫?」

その声が少しだけ低い。

私はカルテを閉じながら頷いた。

「今のところ状態は落ち着いてる」

「肺挫傷も軽度だし、安静守れれば大丈夫」

「……そっか」

陽貴くんの肩から少し力が抜ける。

その瞬間。

優朔さんがふっと笑った。

「お前、保護者みたいだったぞ」

「うるさい」

「救急車乗る直前の顔やばかったし」

「だからうるさい」

でも。その返しに、みんな少し笑った。

張っていた空気が、ようやく緩む。

私はその様子を見ながら思う。

この人たち、本当に仲がいい。

ただのグループじゃない。

ちゃんと“仲間”なんだ。

だからこそ今日の事故は、みんな相当怖かったんだろう。

すると。奏くんが急に私を見る。

「紗凪さん」

「はい?」

「優朔さん、絶対安静にしてください」

「絶対無理するんで」

「おい」

「頼みます」

蒼依くんも頷く。

「隠れて動くタイプ」

「痛くても大丈夫って言うタイプ」

全員一致だった。

私は思わず笑う。

「もう既に分かってます」

「だから厳しめに見張っときます」

すると優朔さんが小さくため息を吐いた。

そんな優朔さんをみてみんながくすくすと笑い場は和んだ。