トップアイドルは白衣の天使に恋をする

紗凪side

優朔さんがICUへ入室して数時間が経ち状態は落ち着いていた。

鎮痛も効いてきて、SpO2も安定。

右肩の出血も止まり、今は安静管理が中心になっている。

私はモニターを確認しながら、そっと息を吐いた。

その時ICUの自動ドアが開いた。

「失礼します」

聞き慣れた声。

振り向くとそこには陽貴くんたち黒騎士メンバーが立っていた。

撮影終わりなのだろう。

全員、表情が硬い。

陽貴くん…久しぶりだ。

看護師に病室に案内されるメンバー達。

「優朔さんっ……!」

一番最初に動いたのは奏くんだった。

ベッドへ駆け寄る。

「マジでびっくりしたんだけど!!」

「死ぬかと思ったすよ!!」

半分怒ってるみたいな声。

でも完全に心配してた顔。

優朔さんが苦笑する。

「いや死んでないから」

「そういう問題じゃないっすよ!」

蒼依くんもその横で大きく息を吐いた。

「ほんと焦った……」

「現場血だらけだったし」

「……ごめん」

優朔さんが小さく謝る。

すると陽貴くんがベッド柵に肘をつきながら、じっと優朔さんを見る。

「……痛むか?」

ぽつり。

その声だけやけに静かだった。

優朔さんが少し笑う。

「少し痛い」

「そうだよな…」

でも陽貴くんの目は、ずっと優朔さんを見ていた。

たぶん。現場にいたからこそ怖かったんだと思う。

機材が倒れる瞬間も。

血が流れるところも。

全部見てしまったから。

その空気を少し変えるみたいに、奏くんが急に言った。

「久しぶりのICUだ…」

キョロキョロと周りを見渡す。