「陽貴、おつかれさま。今回のツアーも最高だったな」
そう声をかけてきたのは、同級生の優朔。
黒騎士のサブリーダーであり、俺にとっては一番長い付き合いの男だ。
こいつはとにかく落ち着いている。
どんなハプニングが起きても焦らない。
常に一歩引いた視点で状況を見て、最適解を出してくる。
黒騎士の“心臓”と言ってもいい存在だ。
そんな優朔は
黒髪の短髪に、くっきりとした二重。
普段はポーカーフェイスだが、たまに見せる柔らかい笑顔にファンは完全にやられているらしい。
……まぁ、納得だな。
文句のつけようがないくらい、整った顔。
老若男女問わず、ファン層も広い。
「お前たちがいてくれたからこそだよ。みんなで乗り切ったツアーだった。優朔にもたくさん助けてもらったし……ほんと感謝してる。ありがとう」
こういうの、改めて口にすると少し照れる。
「それはお互い様だよ」
優朔は小さく笑って、グラスを持ち上げた。
カン、と軽い音が鳴る。
その音が、今回のツアーの終わりを実感させた。
