トップアイドルは白衣の天使に恋をする

そう思った瞬間。

隣から声。

「紗凪」

振り向くと、陽貴くん。

もう“役”の顔じゃない。

いつもの陽貴くんだった。

少しだけ優しく笑っている。

「終わったな」

その一言で。

急に実感が押し寄せてくる。

「……うん」

小さく頷くと。

陽貴くんがふっと近づいてきた。

そして。誰にも見えない角度で、そっと手を握る。

「頑張ったね」

低くて、優しい声。

その瞬間。

いろんなものが溢れそうになった。

この3ヶ月。

忙しくて。

すれ違って。

でもちゃんと繋がっていて。

「……陽貴くんも」

そう言うと。

陽貴くんが少しだけ目を細めた。

「俺はずっと見てたよ」

「紗凪が現場支えてたの」

「全部知ってる」

その言葉に、胸が熱くなる。

すると後ろから。

「はいはいはいー!!」

「そこまでー!!」

奏くんが割り込んできた。

「また始まった!すぐイチャつく!」

「ほんとそれ!」

蒼依くんも笑う。

優朔さんは呆れたように笑いながらも、どこか優しい目をしていた。

「今さらだろ」

みんなが笑う。

その空気が、あまりにも心地よくて。

私は自然と笑っていた。

——こうして。

『ドクターズ〜救命最前線〜』は幕を閉じた。