トップアイドルは白衣の天使に恋をする

小さく気合を入れ直して、私はまた病棟へ戻った。

その日の業務も相変わらず忙しかった。

急な入院。

術後患者の受け入れ。

フライトとの連携確認。

気づけば時計はもう夕方を回っていた。

「一ノ瀬、今日も動きすぎ〜」

先輩ナースに笑われる。

「えっ、そうですか?」

「そうよ」

「復帰したばっかとは思えないもん」

すると横からドクターも頷いた。

「今日の救急対応、一ノ瀬さんいるだけで安心感違った」

「ほんとほんと」

「指示通るの早いし」

「周り見えてるし」

次々飛んでくる言葉に、少し照れる。

「そんなことないです」

そう返すと。

みんなが一斉に笑った。

「それ本気で言ってるからすごいんだよねぇ」

「一ノ瀬さん、自分のスペック分かってない」

「天然ハイスペ看護師」

「やめてくださいよぉ……」

恥ずかしくて思わず顔を覆う。

でも。

そんな何気ないやり取りすら嬉しかった。

ちゃんと戻ってこれたんだ。

またここで働けてる。

そう実感できるから。