トップアイドルは白衣の天使に恋をする

するとその時。

テーブルの上に置いてあった陽貴くんの携帯が鳴った。

「んー……」

眠そうに携帯を取る。

「……はい」

一気に仕事モードの声。

さっきまで甘えてた人と同一人物とは思えない。

私は思わずその横顔を見る。

「はい、はい……分かりました」

短いやり取り。

そして通話が切れる。

陽貴くんがゆっくりこちらを向いた。

「……紗凪」

「ん?」

「撮影、再開だって」

その言葉に。

思わず目を見開く。

止まっていたドラマ。

くるみの件でストップしていた撮影。

それが——

ようやく動き出す。

「……そっか」

自然と笑みが浮かぶ。

すると。

陽貴くんもふっと笑った。

「また一緒に現場行ける」

その声は。

どこか嬉しそうで。

安心したみたいで。

私まで胸が温かくなった。