車はゆっくり夜の街を走っていく。
窓の外には流れる街灯。
仕事終わりの人たち。
賑やかな駅前。
でも。
私の意識はほとんど隣の陽貴くんに持っていかれていた。
信号で止まるたびに。
ちらっとこっちを見る視線。
ふわっと優しく笑う顔。
そのたびに胸がくすぐったくなる。
「……なに?」
耐えきれなくなって聞くと。
陽貴くんが片手でハンドルを握ったまま笑った。
「紗凪にはやく触れたくて」
思わず笑ってしまう。
すると。
陽貴くんが少しだけ口元を緩めた。
「はぁ〜ほんと会いたかった」
その声があまりにも素直で。
胸がぎゅっとなる。
「……私も」
小さく返すと。
陽貴くんが一瞬こっちを見る。
「今のもう一回言って」
「やだ」
「陽貴くんほんと最近隠さないよね」
そう言うと。
陽貴くんが楽しそうに笑う。
「だって好きなの隠す意味なくない?」
「アイドルがそんなこと言っていいの?」
「紗凪にしか言わないからいいの」
さらっと返される。
ずるい。
ほんとずるい。
そんなことを思っているうちに。
車はいつものマンションへ入っていった。
エンジンが止まる。
静かになる車内。
その瞬間。
陽貴くんが深く息を吐いた。
「……帰ってきた」
ぽつり。
その言い方が。
まるで“二人の家”みたいで。
胸がじんわり温かくなる。
車を降りて。
エレベーターへ向かう。
すると急に陽貴くんが後ろから手を繋いできた。
「陽貴くん?」
「んー?」
「外」
「人いない」
確かにいないけど。
それでも少しドキドキする。
でも。
陽貴くんは全然気にしてない。
むしろ。
指を絡めるみたいにぎゅっと繋ぎ直してくる。
「今日いっぱい充電するって決めてた」
「まだ言ってる」
「当然」
エレベーターの扉が開く。
二人で乗り込む。
閉まった瞬間陽貴くんが急に壁際へ追い込むみたいに近づいてきた。
「っ……!」
「ちょ、待って」
「待てない」
低い声。
さっきまでの甘えモードとは違う。
熱を帯びた目。
「今日ずっと我慢してた」
「……家帰ってからって言ったの陽貴くんでしょ」
「もう家みたいなもん」
「違います」
笑いながら返すと。
陽貴くんがふっと笑った。
でも次の瞬間。
額がこつんと触れるくらい近づいて。
「……かわいい」
掠れた声でそう言う。
その距離感に心臓がうるさい。
「仕事終わりなのにこんな可愛いの反則」
「そんなことない……」
「ある」
そして。
ゆっくり頬に触れられる。
「今日、何回紗凪に会いたいって思ったかな」
「……何回?」
「100回以上」
「盛ってる」
「盛ってない」
ほんとに言ってそうだから困る。
エレベーターが止まる。
扉が開く瞬間。
陽貴くんが小さく舌打ちした。
「……タイミング悪」
「もう」
笑ってしまう。
でも。
部屋へ向かう陽貴くんの手はずっと私を離さなくて。
その背中がどこか嬉しそうで。
私はまた、胸の奥がじんわり温かくなるのを感じていた。
窓の外には流れる街灯。
仕事終わりの人たち。
賑やかな駅前。
でも。
私の意識はほとんど隣の陽貴くんに持っていかれていた。
信号で止まるたびに。
ちらっとこっちを見る視線。
ふわっと優しく笑う顔。
そのたびに胸がくすぐったくなる。
「……なに?」
耐えきれなくなって聞くと。
陽貴くんが片手でハンドルを握ったまま笑った。
「紗凪にはやく触れたくて」
思わず笑ってしまう。
すると。
陽貴くんが少しだけ口元を緩めた。
「はぁ〜ほんと会いたかった」
その声があまりにも素直で。
胸がぎゅっとなる。
「……私も」
小さく返すと。
陽貴くんが一瞬こっちを見る。
「今のもう一回言って」
「やだ」
「陽貴くんほんと最近隠さないよね」
そう言うと。
陽貴くんが楽しそうに笑う。
「だって好きなの隠す意味なくない?」
「アイドルがそんなこと言っていいの?」
「紗凪にしか言わないからいいの」
さらっと返される。
ずるい。
ほんとずるい。
そんなことを思っているうちに。
車はいつものマンションへ入っていった。
エンジンが止まる。
静かになる車内。
その瞬間。
陽貴くんが深く息を吐いた。
「……帰ってきた」
ぽつり。
その言い方が。
まるで“二人の家”みたいで。
胸がじんわり温かくなる。
車を降りて。
エレベーターへ向かう。
すると急に陽貴くんが後ろから手を繋いできた。
「陽貴くん?」
「んー?」
「外」
「人いない」
確かにいないけど。
それでも少しドキドキする。
でも。
陽貴くんは全然気にしてない。
むしろ。
指を絡めるみたいにぎゅっと繋ぎ直してくる。
「今日いっぱい充電するって決めてた」
「まだ言ってる」
「当然」
エレベーターの扉が開く。
二人で乗り込む。
閉まった瞬間陽貴くんが急に壁際へ追い込むみたいに近づいてきた。
「っ……!」
「ちょ、待って」
「待てない」
低い声。
さっきまでの甘えモードとは違う。
熱を帯びた目。
「今日ずっと我慢してた」
「……家帰ってからって言ったの陽貴くんでしょ」
「もう家みたいなもん」
「違います」
笑いながら返すと。
陽貴くんがふっと笑った。
でも次の瞬間。
額がこつんと触れるくらい近づいて。
「……かわいい」
掠れた声でそう言う。
その距離感に心臓がうるさい。
「仕事終わりなのにこんな可愛いの反則」
「そんなことない……」
「ある」
そして。
ゆっくり頬に触れられる。
「今日、何回紗凪に会いたいって思ったかな」
「……何回?」
「100回以上」
「盛ってる」
「盛ってない」
ほんとに言ってそうだから困る。
エレベーターが止まる。
扉が開く瞬間。
陽貴くんが小さく舌打ちした。
「……タイミング悪」
「もう」
笑ってしまう。
でも。
部屋へ向かう陽貴くんの手はずっと私を離さなくて。
その背中がどこか嬉しそうで。
私はまた、胸の奥がじんわり温かくなるのを感じていた。
