あの日から、あっという間に1週間が過ぎた。
慌ただしく過ぎていく毎日。
でも、その中でも。
私は少しずつ“いつもの自分”を取り戻していた。
ICUで患者さんと向き合って。
仲間たちと声を掛け合って。
忙しさに追われながら働く時間が、どこか心地よかった。
そしてついに、その日が来た。
フライト再開の日。
まだ薄暗い朝。
フライトユニフォームに袖を通す。
鏡に映る自分を見つめながら、そっと深呼吸した。
胸が緊張で少し苦しい。
でも、不思議と逃げたい気持ちはなかった。
むしろ。
“やっと戻れる”
そんな気持ちの方が大きい。
携帯が震える。
画面を見ると、陽貴くん。
その文字だけで、少し肩の力が抜ける。
「もしもし?」
『おはよ』
少し眠そうな声。
「起きてたの?」
『紗凪のフライト復帰の日だぞ』
『寝れるわけない』
思わず笑ってしまう。
陽貴くんは昨日深夜まで仕事だったはずなのに。
「ちゃんと寝ないとだめだよ?」
『紗凪にだけは言われたくない』
「うっ……」
確かに人のこと言えない。
すると少しだけ、優しい沈黙。
『……緊張してる?』
その声があまりにも柔らかくて。
胸の奥に触れてくる。
「……少しだけ」
正直にそう言うと。
『大丈夫』
『紗凪なら絶対大丈夫』
『俺、知ってるから』
真っ直ぐな声。
迷いのない言葉。
涙が出そうになる。
『それに』
少し笑う気配。
『患者さんも絶対安心する』
『紗凪みたいな看護師いたら』
「……陽貴くん」
『ん?』
「朝から甘やかしすぎ」
そう言うと。
電話越しにくすっと笑う声。
『今日は特別』
『俺の自慢の彼女のフライトナース復帰の日だから』
胸が熱くなる。
本当に、この人はずるい。
「……頑張ってくる」
『うん』
『無理はすんなよ』
『あと帰ったらいっぱい褒める』
「ふふ……なにそれ」
『約束』
その声に自然と笑みがこぼれた。
電話を切って。
私はゆっくりヘリへと向かった。
慌ただしく過ぎていく毎日。
でも、その中でも。
私は少しずつ“いつもの自分”を取り戻していた。
ICUで患者さんと向き合って。
仲間たちと声を掛け合って。
忙しさに追われながら働く時間が、どこか心地よかった。
そしてついに、その日が来た。
フライト再開の日。
まだ薄暗い朝。
フライトユニフォームに袖を通す。
鏡に映る自分を見つめながら、そっと深呼吸した。
胸が緊張で少し苦しい。
でも、不思議と逃げたい気持ちはなかった。
むしろ。
“やっと戻れる”
そんな気持ちの方が大きい。
携帯が震える。
画面を見ると、陽貴くん。
その文字だけで、少し肩の力が抜ける。
「もしもし?」
『おはよ』
少し眠そうな声。
「起きてたの?」
『紗凪のフライト復帰の日だぞ』
『寝れるわけない』
思わず笑ってしまう。
陽貴くんは昨日深夜まで仕事だったはずなのに。
「ちゃんと寝ないとだめだよ?」
『紗凪にだけは言われたくない』
「うっ……」
確かに人のこと言えない。
すると少しだけ、優しい沈黙。
『……緊張してる?』
その声があまりにも柔らかくて。
胸の奥に触れてくる。
「……少しだけ」
正直にそう言うと。
『大丈夫』
『紗凪なら絶対大丈夫』
『俺、知ってるから』
真っ直ぐな声。
迷いのない言葉。
涙が出そうになる。
『それに』
少し笑う気配。
『患者さんも絶対安心する』
『紗凪みたいな看護師いたら』
「……陽貴くん」
『ん?』
「朝から甘やかしすぎ」
そう言うと。
電話越しにくすっと笑う声。
『今日は特別』
『俺の自慢の彼女のフライトナース復帰の日だから』
胸が熱くなる。
本当に、この人はずるい。
「……頑張ってくる」
『うん』
『無理はすんなよ』
『あと帰ったらいっぱい褒める』
「ふふ……なにそれ」
『約束』
その声に自然と笑みがこぼれた。
電話を切って。
私はゆっくりヘリへと向かった。
