トップアイドルは白衣の天使に恋をする

-カフェにて-

「ところで昨日の患者さんどうなった?」

「脳出血で緊急オペ。たぶんICU行き」

「そっか……よかった」

他愛のない話をする。

「でさ」

梓がニヤッと笑う。

「あんたがこないだ連れてきた患者、倒れてたのって高級レストランビルでしょ?紗凪、なんでそんなとこにいたの?」

来た…絶対聞かれると思った。

1週間も経ったら流石に忘れてるかなぁ…と思ったのに

流石の梓様。。。

「あのね、速田先生にご飯誘われて行ってきたの」

梓には絶対隠し事できないから素直に言った方が身のためだ…

「きゃーー!!速田やるじゃん!!」

急にテンションが跳ね上がる梓。

「ちょっ、梓!静かに……!そんなんじゃないよ」

「またまた〜。で?どうだったの?ご飯だけ?」

ニヤニヤが止まらない。



「うん……それがね、途中で緊急オペに呼ばれちゃって」



「え、途中で!?」



「うん。そのまま行っちゃった」



だから、あの帰りに患者さんに遭遇した。



「は〜……さすが心外。忙しすぎるでしょ」



呆れたように肩をすくめる梓。



「あの人たちさ、ほぼ病院に住んでるよね?ってレベルじゃない?」



「ふふっ、確かに」



思わず笑ってしまう。



「でもまぁ、命預かってる仕事だしねぇ……」



「ほんと、それ」



顔を見合わせて、くすっと笑った。



穏やかな時間。



さっきまでの緊張感が嘘みたいに、ゆるやかに流れていく。