トップアイドルは白衣の天使に恋をする

ソファに座ったまま。

陽貴くんの腕の中に、すっぽり収まる。

背中に回された腕があったかくて。

頭を撫でる手が優しくて。

さっきまで張り詰めていた気持ちが、どんどんほどけていく。

テレビはついているのに、内容なんて全然入ってこない。

意識は全部、隣にいる彼に持っていかれていた。

「……紗凪」

低くて甘い声。

耳元で名前を呼ばれるだけで、胸がぎゅっとなる。

「ん……?」

そっと見上げる。

近い。

近すぎる距離。

陽貴くんは私を見つめたまま、ふっと優しく笑った。

「今日の紗凪、可愛すぎて困る」

「っ……」

またすぐそういうこと言う。

恥ずかしくて視線を逸らそうとすると。

「逃げないで」

顎にそっと指を添えられて、また目が合う。

優しい目。

でも、その奥に少し熱っぽいものが見えて。

ドキッとする。

そのまま。

ゆっくりキスが落ちてくる。

優しく触れるだけのキス。

でも離れたと思ったら、またすぐ触れて。

何度も、何度も。

大切にされてるみたいなキス。

「……陽貴くん」

息が混ざる距離で名前を呼ぶと。

「なに?」

少し掠れた声。

それがまた、ずるい。

「……キス好きすぎだよ…」

頑張って言うと。

一瞬、陽貴くんが吹き出す。

「うん、好き」

「紗凪相手だと止まんない」

そう言ってまた唇が重なる。

「んっ……」

今度は少し深くて。

腰に回された腕に力が入る。

ドキドキしすぎて、頭がぼーっとする。

「…っまじやばいから…可愛い声出さないで」

耳元で低く囁かれて。

一気に顔が熱くなる。

「だ、だって……」

うまく言葉にならない。

そんな私を見て、陽貴くんはすごく嬉しそうに笑う。

「ほんと、反応全部かわいい」

そう言いながら。

今度は首元に顔を埋めてくる。

くすぐったくて肩をすくめると。

「はは、弱い?」

「……ちょっと」

「ちょっとじゃなさそう」

楽しそうな声。

もう完全に遊ばれてる。

「陽貴くんっ……」

抗議すると。

「ん?」

全然反省してない顔。

でも。

その目が優しくて。

愛おしそうに見つめてくれるから。

怒れない。

「……好き」

ぽろっと、自然に言葉が出る。

言った瞬間。

陽貴くんがぴたりと止まった。

「……今、ずるい」

「え……」

「そんな不意打ちで言う?」

少し困ったように笑う。

でも次の瞬間。

ぎゅうっと、強く抱きしめられた。

「俺の方が好きなのに」

耳元で落とされる声。

心臓がうるさい。

「……陽貴くん」

「ん?」

「苦しい……」

「ごめん」

そう言いながらも、全然離してくれない。

むしろもっと抱き寄せられる。

「今日ほんと頑張ったから」

「いっぱい甘やかしたい」

優しく髪を撫でながら言われる。

その声があまりにも甘くて。

安心して。

嬉しくて。

胸がいっぱいになる。