トップアイドルは白衣の天使に恋をする

シャワーを借りて。

髪を乾かして。

リビングへ戻る。

すると。

ソファに座っていた陽貴くんが、こっちを見た瞬間ぴたりと止まった。

「……」

「……え、なに?」

不安になって聞くと。

「いや……」

片手で口元を隠しながら、視線を逸らす。

「思った以上に破壊力やばい」

「っ……!」

ぶかぶかのTシャツ。

太ももが少し見えるくらいの丈。

自分でもちょっと恥ずかしいとは思ってたけど。

そんな真顔で言われると困る。

「もう……っ」

顔を隠くすと。

陽貴くんが小さく笑う。

「こっちおいで」

ソファに座ると。

すぐ隣に引き寄せられる。

自然みたいに。

当たり前みたいに。

肩が触れて。

体温が伝わる。

テレビはついているのに、内容なんて全然入ってこない。

意識全部、隣に持っていかれてる。

すると。

「今日、ほんと頑張ったな」

また、優しい声。

「……だから今日は、いっぱい甘やかす」

その言葉と同時に。

ぽんぽん、と優しく頭を撫でられる。

あぁ、だめだ。

安心する。

安心しすぎて、泣きそうになる。

そっと陽貴くんの肩に寄りかかると。

彼は何も言わずに、優しく抱き寄せてくれた。

静かな部屋。

重なる体温。

ゆっくり流れる時間。

――帰るはずだったのに。

結局。

私はまた、陽貴くんの家で夜を過ごすことになった。