トップアイドルは白衣の天使に恋をする

張り詰めた空気の中――

コンコン、と。

再び、ドアがノックされる。

一斉に視線が向く。

「……どうぞ」

院長の声。

ゆっくりとドアが開く。

そして――

入ってきたのは。

「……っ」

思わず、息が止まる。

陽貴…くん。

優朔さん、奏くん、蒼依くんまで。

そしてその後ろに――林くん。

そのさらに後ろに、立っているのは。

花宮胡桃。

……どうして。

状況が、一瞬で理解できない。

さらにその横には、撮影現場で見たことのある医療スタッフの姿。

「この方達は?」

スーツを着た偉い人が眉をひそめて尋ねる。

すると師長が一歩前に出る。

「今回の件について、重要な証言と証拠を提供してくれた関係者です」

その言葉に、ざわりと空気が動く。

「この子達が――先ほどの証拠を見つけてくれました」

……え?

黒騎士のみんなが?

林くんも……?

思わず、そちらを見る。

視線が合う。

陽貴くんが、ほんの少しだけ頷いた。

その表情は真剣で。

でもどこか――「大丈夫だ」って言われてる気がした。

胸が、じんわり熱くなる。

「順に説明してもらえますか」

院長の言葉に、医療スタッフが一歩前に出る。

少し緊張した面持ちで、頭を下げる。

「……はい」

一度、唾を飲み込んでから。

ゆっくりと口を開く。

「当日、花宮胡桃さんに頼まれて……ヘリの見学に案内しました」

――その言葉に。

一気に空気が変わる。

「見学?」

医局の医師が眉をひそめる。

「はい……本来、関係者以外は立ち入り禁止なのですが」

視線が揺れる。

「“少しだけなら大丈夫ですよね?”と強く言われて……」

声に、後悔が滲む。

「私の判断ミスです。申し訳ありません」

深く頭を下げる。

重たい沈黙。