トップアイドルは白衣の天使に恋をする

料理を温める。

静かなキッチンに、電子レンジの音だけが響く。

一人の食事。

なのに、不思議と寂しさだけじゃない。

テーブルに並べる。

「いただきます」

箸を取る。一口。

「……うまい」

自然とこぼれる。

変わらない味。

優しくて、ほっとする味。

いないはずなのに。

ちゃんと、残ってる。

そんな感覚。

ゆっくり食べながら――

ふと、考える。

明日……大丈夫かな

紗凪の資格会議。

これからの看護人生が左右されると言っても大袈裟じゃない。

不安も、プレッシャーもあるはずだ。

会えたらいいけどな

同じ病院にはいる。

でも、撮影だし自由に動けるわけじゃない。

タイミングが合うかも分からない。

それでも―少しでも顔見れたらそれだけで、違うと思う。

箸を置いて、背もたれに体を預ける。

静かな部屋。

さっきまでの賑やかさが嘘みたいで。

でも。

この静けさの中にもちゃんと、紗凪がいる。

そんな気がして。

「……頑張れよ」

小さく、誰にも聞こえない声で呟いた。