陽貴side
撮影の合間。
スタジオの端、少し人目につかない場所に集まる。
黒騎士メンバーと――林。
自然と空気が引き締まる。
雑談じゃない。
今、一番大事な話。
「……で?」
優朔が腕を組みながら、低く聞く。
その視線は真剣そのもの。
林が一度息を整えてから口を開く。
「師長さんが、動いてくれました」
その一言で、全員の意識が一気に集中する。
「看護部長と医局部長、あと医院長にも話がいって……」
少しだけ声が震える。
「昨日、緊急会議が開かれたそうです」
……早い
思ってた以上に動きが早い。
「詳細は……まだ僕も聞けてなくて」
悔しそうに拳を握る林。
「でも」
顔を上げる。
「花宮胡桃のことは、確実に伝わってます」
その言葉に――
一瞬、静寂。
そして。
「……よし」
小さく、息が抜ける。
少なくとも。
スタートラインには立てた。
「ざけんなよ、あいつ」
奏が吐き捨てるように言う。
珍しく、本気で怒ってるのが分かる。
「ほんとっすよ」
蒼依も珍しく真顔。
「人の命に関わることであんなことするとか……普通じゃないっす」
その声には、はっきりとした怒り。
……だよな
普段はふざけてるこいつらがここまで感情を出すってことは――
それだけ、紗凪のことを大事に思ってるってこと。
「……ありがとな」
ぽつりと、思わず口に出る。
「なんで陽貴さんがお礼言うんですか。紗凪ちゃんのためなら当たり前っすよ」
でも、どこか照れくさそうで。
蒼依も「いやほんとそれっす」なんて言いながら、少し笑う。
その空気に、少しだけ救われる。
……いい仲間だな
改めて、そう思う。
「でもさ」
優朔が静かに口を開く。
「これ、公になったら現場止まる可能性あるよね」
現実的な一言。
一気に空気が戻る。
「……あぁ」
否定はできない。
医療事故。
しかも意図的な可能性。
そんな話が出れば――
この撮影自体、続行できるかも分からない。
スポンサー、世間、全部が動く。
「どうする?」
奏が俺を見る。
判断を委ねる視線。
少しだけ、間を置く。
でも答えは、最初から決まってる。
「……関係ねぇよ」
静かに言う。
「撮影がどうなるとか」
「そんなの後だろ」
視線を上げる。
「紗凪を救えなきゃ、意味ねぇ」
はっきりと。
迷いなく。
その言葉に――
一瞬の沈黙のあと。
「……だな」
優朔が小さく笑う。
「それでこそお前」
奏も「しゃーねぇな」と肩をすくめる。
蒼依も「やるしかないっすね」と頷く。
林は、ぐっと唇を噛みしめながら――
「お願いします……!」と深く頭を下げた。
撮影の合間。
スタジオの端、少し人目につかない場所に集まる。
黒騎士メンバーと――林。
自然と空気が引き締まる。
雑談じゃない。
今、一番大事な話。
「……で?」
優朔が腕を組みながら、低く聞く。
その視線は真剣そのもの。
林が一度息を整えてから口を開く。
「師長さんが、動いてくれました」
その一言で、全員の意識が一気に集中する。
「看護部長と医局部長、あと医院長にも話がいって……」
少しだけ声が震える。
「昨日、緊急会議が開かれたそうです」
……早い
思ってた以上に動きが早い。
「詳細は……まだ僕も聞けてなくて」
悔しそうに拳を握る林。
「でも」
顔を上げる。
「花宮胡桃のことは、確実に伝わってます」
その言葉に――
一瞬、静寂。
そして。
「……よし」
小さく、息が抜ける。
少なくとも。
スタートラインには立てた。
「ざけんなよ、あいつ」
奏が吐き捨てるように言う。
珍しく、本気で怒ってるのが分かる。
「ほんとっすよ」
蒼依も珍しく真顔。
「人の命に関わることであんなことするとか……普通じゃないっす」
その声には、はっきりとした怒り。
……だよな
普段はふざけてるこいつらがここまで感情を出すってことは――
それだけ、紗凪のことを大事に思ってるってこと。
「……ありがとな」
ぽつりと、思わず口に出る。
「なんで陽貴さんがお礼言うんですか。紗凪ちゃんのためなら当たり前っすよ」
でも、どこか照れくさそうで。
蒼依も「いやほんとそれっす」なんて言いながら、少し笑う。
その空気に、少しだけ救われる。
……いい仲間だな
改めて、そう思う。
「でもさ」
優朔が静かに口を開く。
「これ、公になったら現場止まる可能性あるよね」
現実的な一言。
一気に空気が戻る。
「……あぁ」
否定はできない。
医療事故。
しかも意図的な可能性。
そんな話が出れば――
この撮影自体、続行できるかも分からない。
スポンサー、世間、全部が動く。
「どうする?」
奏が俺を見る。
判断を委ねる視線。
少しだけ、間を置く。
でも答えは、最初から決まってる。
「……関係ねぇよ」
静かに言う。
「撮影がどうなるとか」
「そんなの後だろ」
視線を上げる。
「紗凪を救えなきゃ、意味ねぇ」
はっきりと。
迷いなく。
その言葉に――
一瞬の沈黙のあと。
「……だな」
優朔が小さく笑う。
「それでこそお前」
奏も「しゃーねぇな」と肩をすくめる。
蒼依も「やるしかないっすね」と頷く。
林は、ぐっと唇を噛みしめながら――
「お願いします……!」と深く頭を下げた。
