スーパーから帰ってきて、キッチンへ向かう。
エプロンをつけて、手を洗う。
……よし
今日は、少しあっさりしたものにしよう。
昨日は中華で、しっかりした味だったから。
体に優しいものを。
そう思って選んだのは――
鯛の煮付け。
ほうれん草のおひたし。
大根と揚げの味噌汁。
丁寧に下処理をして。
鯛に切り込みを入れて、さっと湯通しする。
鍋に調味料を入れて、火にかける。
ふわっと広がる、優しい香り。
落とし蓋をして、ゆっくり煮ていく。
その間に、ほうれん草を茹でる。
冷水で締めて、水気を絞って食べやすい大きさに切る。
大根はコトコトと味噌汁へ。
揚げも加えて、出汁の香りが広がる。
包丁の音。鍋の静かな音。
その一つ一つが、落ち着かせてくれる。
やっぱり好きだな、この時間
誰かのために、料理をする時間。
少しだけ寂しさもあるけど。
それ以上に、満たされるものがある。
――
「よし、完成」
小さく声に出す。
テーブルに並べてみる。
どれも、優しい色合い。
…ちゃんとできた
このまま食べてほしいな、なんて思いながら。
一つ一つラップをかけて、冷蔵庫へ入れる。
「温めればすぐ食べれるし……」
誰に言うでもなく、呟く。
――
そのあと、部屋を見渡す。
少しでも綺麗にして帰りたい。
そんな気持ちが自然と湧いてくる。
洗濯機を回して、干して。
掃除機をかけて。
テーブルも整えて。
ソファのクッションも直して。
…こんな感じかな
一通り終えて、ふっと息をつく。
時計を見る。
――15時。
そろそろ、帰ろう
少しだけ、胸が重くなる。
でも、ここにずっといるわけにはいかない。
自分の場所に、戻らないと。
机に向かう。
メモ用紙を取り出して、ペンを握る。
少しだけ考えてから――
ゆっくり、書き始める。
「陽貴くんへ。
お仕事お疲れ様でした。
1週間ありがとう。
ご飯、冷蔵庫に入れてるから温めて食べてね。
また会えるの、楽しみにしてるね。」
書き終えて、少しだけ見つめる。
……うん
それをテーブルの上に置く。
最後にもう一度、部屋を見渡す。
この数日、過ごした空間。
たくさん笑って。
たくさん救われて。
たくさん、好きになった場所。
「……ありがとう」
小さく呟く。
ドアに手をかける。
そのまま、開ける。
外の空気が流れ込む。
一歩、外へ。
ドアを閉める音が、やけに静かに響いた。
エプロンをつけて、手を洗う。
……よし
今日は、少しあっさりしたものにしよう。
昨日は中華で、しっかりした味だったから。
体に優しいものを。
そう思って選んだのは――
鯛の煮付け。
ほうれん草のおひたし。
大根と揚げの味噌汁。
丁寧に下処理をして。
鯛に切り込みを入れて、さっと湯通しする。
鍋に調味料を入れて、火にかける。
ふわっと広がる、優しい香り。
落とし蓋をして、ゆっくり煮ていく。
その間に、ほうれん草を茹でる。
冷水で締めて、水気を絞って食べやすい大きさに切る。
大根はコトコトと味噌汁へ。
揚げも加えて、出汁の香りが広がる。
包丁の音。鍋の静かな音。
その一つ一つが、落ち着かせてくれる。
やっぱり好きだな、この時間
誰かのために、料理をする時間。
少しだけ寂しさもあるけど。
それ以上に、満たされるものがある。
――
「よし、完成」
小さく声に出す。
テーブルに並べてみる。
どれも、優しい色合い。
…ちゃんとできた
このまま食べてほしいな、なんて思いながら。
一つ一つラップをかけて、冷蔵庫へ入れる。
「温めればすぐ食べれるし……」
誰に言うでもなく、呟く。
――
そのあと、部屋を見渡す。
少しでも綺麗にして帰りたい。
そんな気持ちが自然と湧いてくる。
洗濯機を回して、干して。
掃除機をかけて。
テーブルも整えて。
ソファのクッションも直して。
…こんな感じかな
一通り終えて、ふっと息をつく。
時計を見る。
――15時。
そろそろ、帰ろう
少しだけ、胸が重くなる。
でも、ここにずっといるわけにはいかない。
自分の場所に、戻らないと。
机に向かう。
メモ用紙を取り出して、ペンを握る。
少しだけ考えてから――
ゆっくり、書き始める。
「陽貴くんへ。
お仕事お疲れ様でした。
1週間ありがとう。
ご飯、冷蔵庫に入れてるから温めて食べてね。
また会えるの、楽しみにしてるね。」
書き終えて、少しだけ見つめる。
……うん
それをテーブルの上に置く。
最後にもう一度、部屋を見渡す。
この数日、過ごした空間。
たくさん笑って。
たくさん救われて。
たくさん、好きになった場所。
「……ありがとう」
小さく呟く。
ドアに手をかける。
そのまま、開ける。
外の空気が流れ込む。
一歩、外へ。
ドアを閉める音が、やけに静かに響いた。
