トップアイドルは白衣の天使に恋をする

――静かになる部屋。

さっきまでの温もりが、少しだけ残っている。

…今日で、お別れか

この5日間、本当にあっという間だった。

あのまま一人でいたら。

きっと――もっと深く沈んでたと思う。

思い出す。

ヘリのこと。

アドレナリンがなかったあの瞬間。

フラッシュバックみたいに、何度も蘇る。

息が詰まって。

何もできなくなって。

泣き崩れた日もあった。

それでも――

陽貴くんがいた。

隣で、支えてくれた。

何度も、救われた。

まだ怖い。

まだ不安もある。

でも、ちゃんと向き合わないと

泣いてばかりじゃ、前には進めない。

どんな結果でも―受け入れる。

そう、決める。

「……よし」

小さく自分に言い聞かせる。

着替えをして、準備を整える。

最後の買い物に行こう。

ドアに手をかける。

少しだけ深呼吸して――

外へ出た。