トップアイドルは白衣の天使に恋をする

ガチャ——

玄関のドアを閉めて、ふぅっと息をつく。

そのままリビングに入り、ソファに体を預けた。

時計を見ると、0時半。

「つかれたぁ……」

全身の力が一気に抜ける。

もうこんな時間……

ぼんやりと天井を見上げながら、今日のことを思い返す。

倒れていた患者さん。

必死に対応した時間。

そして——

救急車を呼んでくれた彼。

周りを落ち着かせてくれた人たち。

ほんとに助かったなぁ……

もし誰も動いてくれていなかったら、
あの人はもっと危険な状態になっていたかもしれない。

帽子を被っていて、顔はよく見えなかったけど。

きっと、優しい人たちなんだろうな

自然と、胸の奥があたたかくなる。

「……いいこと、ありますように」

小さく呟いて、ふっと笑った。

誰かのために動ける人には、ちゃんといいことが起きてほしい。

立ち上がって、バスルームへ向かう。

温かいシャワーを浴びると、張りつめていた緊張がゆっくりほどけていく。

今日は、よく寝れそう……

ベッドに入ると、すぐにまぶたが重くなった。

最後に浮かんだのは——



あの時、視線が合った“彼”の姿。

……どんな人だったんだろう

そんなことを考えながら——

私は、ゆっくりと眠りに落ちた。