トップアイドルは白衣の天使に恋をする

数分後

俺たちは、師長室の前に立っていた

コンコン、とノック

「どうぞ」

落ち着いた声

ドアを開ける

「失礼します」

中に入ると――

「久しぶりね、あなたたち」

優しく微笑む堀田師長さん

変わらない、落ち着いた雰囲気

「どうしたの?」

その一言に俺は、迷わずポケットに手を入れる

「これを」

机の上に、証拠の袋を置く

師長の視線が、それに落ちる

そして――

一瞬で表情が変わる

「……これ……」

手に取る

中身を確認した瞬間

「これをどこで?!」

明らかな動揺

「花宮胡桃の家です」

静かに、はっきりと言う

「……え?」

理解が追いつかない、という顔

当然だと思う

だから――最初から、全部話す

「あの日、くるみは朝ヘリに行ってた」

「機内には、ピアスが落ちてた」

「それと同じものが、くるみの手元にあった」

一つ一つ、繋げていく

「で、昨日」

少し間を置く

「家でこれを見つけた」

沈黙

部屋の空気が、一気に重くなる

師長の顔が、ゆっくりと強張っていく

「……そんな……」

信じられない、という表情

でも手の中にあるのは、確かな証拠

現実

「……それが本当なら」

低く、重い声

「問題どころの騒ぎじゃないわ」

空気が張り詰める

でも次の瞬間

「……一ノ瀬を救えるかもしれないわね」

ほんの少しだけ、表情が緩む

安堵が滲む

その一言で―胸の奥が、少しだけ軽くなる

「……」

優朔と視線を交わす

まだ油断はできない

でも、確実に前に進んでる

「あなたたち」

師長が、真剣な顔でこちらを見る

「このことは、まだ他には内緒にしておいて」

「はい」

同時に、静かに頷く

「私の方で動くわ」

そう言って―証拠を手に持ったまま、立ち上がる

足早にドアへ向かう

「失礼するわね」

そのまま、部屋を出ていく

ドアが閉まる音

残された静けさ

「……動いたな」

小さく呟く

ここから――

すべてが動き出す