トップアイドルは白衣の天使に恋をする

「……参考になるよ」

そう言って、軽く笑う

頭の中ではもう結論は出てる

証拠は揃った

あとは――ここからどう抜けるか

適当な理由をつけて帰るだけ

そう思った、その瞬間――

「ねぇ……」

ぐいっと腕を引かれる

「胡桃、もう待てない」

そのまま、ベッドへ押し倒される

「っ……」

一瞬、視界が揺れる

やばい

完全に想定外

逃げるタイミングを一瞬で失う

「……っ」

胡桃の顔が近づく

避けきれず、触れられる

咄嗟に顔を逸らす

「ちょっと待てって」

低く言うけど、胡桃は止まらない

するりと肩に触れてきて、距離を詰めてくる

くそ…

頭の中で一気に警戒が上がる

ここで無理に振りほどけば、不自然になる

でもこのままは――まずい

どうする……

その瞬間――

――ピリリリッ

携帯の着信音

……!

ポケットが震える

一瞬で取り出す

画面を見る

優朔

ナイスタイミングすぎるだろ

「……悪い」

すぐに体を起こす

「社長からだ」

短く、でも断れない相手だと分かる言い方

胡桃が一瞬、不満そうな顔をする

でもすぐに、納得したように息を吐く

「……社長なら仕方ないかぁ」

身体が離れる

助かった……

そのまま、すぐに立ち上がる

「外で出る」

それだけ言って、玄関へ