トップアイドルは白衣の天使に恋をする

ご飯を食べ終えて、二人で並んで後片付けをする

シンクに流れる水の音と、食器が触れ合う小さな音

「ありがとう」

そう言うと、紗凪は少し照れたように笑う

「ううん、私も楽しいから」

その一言が、やけに嬉しくて

自然と、また頬が緩む

片付けが終わって、順番にお風呂に入る

さっぱりした状態でリビングに戻ると、さっきよりも少し落ち着いた空気

ソファに並んで座る

距離は、自然と近い

テレビはついているけど、ほとんど頭に入ってこない

隣にいる紗凪の方が、気になって仕方ない

ドライヤーの後の、ほんのり甘い香り

柔らかく揺れる髪

……近い

意識すると、余計に気になる

「……今日さ」

なんとなく話しかける

紗凪がこっちを向く

その視線が優しくて、少しだけ胸があたたかくなる

「ほんと、ありがとうな」

料理のこと今日一日待っててくれたこと

全部ひっくるめて

「……こちらこそ」

少し照れながら返すその声が、やわらかい

そのまま、少しだけ沈黙

でも、不思議と気まずくはない

むしろ心地いい

その静かな時間の中で――自然と、手が伸びる

最初は、ほんの少しだけ

指先で、そっと触れる腕に

服の上から、軽くなぞるように

「……っ」

紗凪が小さく反応する

くすぐったそうに肩をすくめる

「……ちょっと」

視線だけこっちに向けてくる

「なに?」

わざと何もしてない顔で返す

その反応が面白くて、もう少しだけ触れる

今度は、少しだけ大胆に腰のあたりに手を回す

「こらっ変態っ」

少しだけ強めの声

どこか余裕がなくなってきてる感じ

その反応が――たまらなく可愛い

「誰が変態だって?」

一気に距離を詰める

やばい……

抑えようとしても、逆に意識が向く

肩が触れるそのまま、軽く引き寄せる

紗凪の身体が、少しだけこっちに寄る

逃げるわけでもなく

その様子が、さらに火をつける

指先が、ゆっくりと動く

触れる場所が、少しずつ変わっていく

そして――

ふと、胸元に触れた瞬間

「……っ、」

紗凪が、反射的に声を漏らす

一瞬で、空気が変わる

「……」

時間が止まったみたいに感じる

頭の中が、一気に真っ白になる

理性が、ぐらっと揺れる

紗凪も、自分の声に驚いたみたいに顔を赤くしてる

その表情が――もう、無理だった

「……紗凪」

低く名前を呼ぶ

さっきまでの空気とは、明らかに違う

自分でも分かるくらい、余裕がなくなってる

「……ごめん」

そう言いながらもう、止める気はなくて

腕を回して、そのまま身体を引き寄せる

ぎゅっと抱きしめる

そのまま――抱き上げる

「えっ……!?」

驚いた声が上がる

「ちょ、陽貴くん……!」

慌てた様子

でも、しっかりと抱きとめる

軽い腕の中に収まる感覚が、妙にリアルで

そのまま、歩き出すリビングから、寝室へ

一歩一歩、距離が縮まっていく

ドアを開けて、ベッドへ

そっと、優しく下ろす

ふわっと沈む身体その上から、少し距離を詰める

でも――そこで、一度止まる

ちゃんと、顔を見る

紗凪の表情少し緊張してる

「……大丈夫?」

静かに、聞く

さっきまでの勢いとは違う

ちゃんと、確認する

その一言に

紗凪は少しだけ息を整えて

ゆっくり、頷く

「……うん」

小さな声

でも、はっきりとした意思

その答えを聞いた瞬間

張っていたものが、少しだけほどける

「……そっか」

小さく呟いて

今度は――

さっきまでよりも、ずっとゆっくり

優しく

大事にするように

そっと距離を縮めていった