トップアイドルは白衣の天使に恋をする

部屋着に着替えて、テーブルにつく

向かいに座る紗凪は、どこか落ち着かない様子

少しだけ緊張してるのが分かる

「いただきます」

手を合わせて、一口

その瞬間

「……」

言葉が止まる

想像してたより、ずっと

丁寧で、優しい味

「……どうかな?」

不安そうに見つめてくる

その視線に気づいて

「……すごく美味しい」

まっすぐ伝える

その瞬間

ぱっと表情が明るくなる

「……よかった」

心から安心した顔

それがあまりにも素直で

思わず、少しだけ笑ってしまう

ほんと、分かりやすい

でもその分かりやすさが、愛おしい

箸が止まらない

一口ごとに、ちゃんと美味しくて

手をかけてくれたのが分かる

「……すごいな」

ぽつりと呟く

「え?」

「また食べたい」

そう言うと、少し照れながら笑う

その笑顔を見て

また、胸があたたかくなる

気づけば――

全部、食べ終わっていた

「ごちそうさま」

自然と出た言葉

満たされているのは、胃だけじゃない

心も、ちゃんと満たされている

テーブルの向こうで、嬉しそうに笑う紗凪を見ながら

帰ってきてよかった

そんな当たり前のことを、改めて思った