トップアイドルは白衣の天使に恋をする

軽く身支度を整えて、外へ出る

朝の空気はまだ少しひんやりしていて

でも、気持ちは不思議とすっきりしている

歩きながら、自然と考える

何作ろうかな……

陽貴くんの顔を思い浮かべながら

昨日の笑顔優しかった声甘い時間

それを思い出して、少しだけ頬が緩む

スーパーに入ると、カゴを手に取って、ゆっくり歩き出す

料理は好きむしろ、無心になれる時間

小さい頃からおばあちゃんの家で一緒にキッチンに立ってよく料理を教えてもらっていたもちろん時間が空けば今もだけど

包丁の持ち方も

火加減も

味の整え方も

全部、料理上手のおばあちゃんに教わった

メニューを考えながらスーパーを歩く


ふと目に入ったのは――

新鮮なサーモン

きれいなオレンジ色

表面がつやっとしていて、見るからに美味しそう

足が止まるじっと見つめて

その瞬間、頭の中でメニューが浮かぶ

バターで焼いて

仕上げにレモンを少し

香ばしい香りと、さっぱりした酸味

「……いいかも」

自然と口に出る

そこから一気に決まっていく

メインはサーモンのムニエルにしよう

付け合わせに、ブロッコリーやにんじんの温野菜

彩りも考えてそれから、優しい味のクリームスープ

きのこと玉ねぎを入れて

あと、さっぱりしたサラダも

…よし、これでいこう

決まった瞬間、少しだけワクワクする

必要な食材を一つ一つ選んで、カゴに入れていく

サーモンを選ぶ手も、少し丁寧になる

野菜の状態を見て、いいものを選ぶ

そんな時間が、なんだか楽しい

喜んでくれるかな

ふと、そんなことを思う

その想像だけで、少しだけ胸が弾む

レジを済ませて、袋を持つ

少し重たいはずなのに、気持ちは軽かった