トップアイドルは白衣の天使に恋をする

明人side


スマホが鳴った時、正直目を疑った

画面に表示された名前

――佐野陽貴

「は?」って声出たよな、普通に

あいつから電話なんて、年にあるかないかレベルだぞ

しかも用件が――

「明日貸切にできない?」

って突然すぎるだろ

けどまぁあいつが“頼む”って言ってきた時点で、断る理由なんてなかった

俺と陽貴は中学の頃からの付き合いだ

陽貴には借りなんて言葉じゃ足りないくらいのもんがある

――あの頃の俺は、終わってた

荒れて、誰とも関わらなくて

教室でも完全に浮いてて

声かけてくるやつなんて、誰もいなかった

でも陽貴だけは違った

何事もないみたいな顔で、普通に話しかけてきて

それが、どれだけ救いだったか

……まぁ、本人は覚えてないかもしれないけどな

そんなやつが「貸切にしてくれ」なんて言ってくる

しかも前日に絶対なんかあるって思った、

で、当日、入口で待ってたら――

来た

陽貴と、女の子

「……は?」

思わず声出そうになった

まず、その子綺麗すぎる

一瞬で分かるレベル

え、モデル?アイドル?

って思ったけど、違うらしい

それも驚きだけど、それ以上に――

隣にいる“陽貴”がやばかった

あいつが、女を連れてるそれだけでも事件なのに

何より陽貴の“顔”

見たことない表情してた

柔らかくて、すごく大事にしてる感じで

壊れ物扱うみたいに、丁寧に接してて

……マジかよ

10年以上の付き合いで、初めて見た

あいつが誰かにあんな目向けるの

その時点で、本気だなと感じた