トップアイドルは白衣の天使に恋をする

陽貴side

夜景の前で、紗凪ぽつりとこぼした一言。

「……まだ、もう少し一緒にいたい」

――正直、驚いた。

紗凪がそんなこと言うとは思ってなかった。

しかもあの顔。

自分で言って照れてるくせに、引く気はないみたいな。

ほんとずるい。

今日はきちんと家に帰してゆっくり距離を詰めていくつもりだったのに。

あんなの、断れるわけない。

「明日オフなんだけど」

そう言った時の、紗凪の反応…戸惑って、でも逃げなくて。

「このまま、うち来る?」

少しだけ間があって。

「……うん」

小さく頷いた。

その瞬間、少しだけ覚悟が見えた気がした。

――

家に着いて、部屋に入る。

明らかに緊張してるくせに「してない」って言い張る。

分かりやすすぎて、笑いそうになる。

隣に座らせて、軽く引き寄せると一気に固まる。

でも、拒まない。

そのまま頭撫でたら、少しずつ力抜けていくのが分かった。

「今日、頑張ったじゃん」

そう言ったら、少しだけ顔が緩む。

無理して笑ってたのも、全部分かってた。

それでも外出て、ちゃんと戻ろうとしてる。

ほんと、無理するタイプ

だからこそ、甘やかしたくなる。

「甘やかしてるし」

あえて言ったら、少し驚いた顔してた。

ああいう顔、初めて見たかもしれない。



そのあと映画つけたけど。

全然集中してなかった。ちらちらこっち気にしてるの丸分かり。

かわいいなほんと…


風呂入って、戻ってきた頃にはさらに意識していて。

どうするか、ちょっと考えた。

――ここで距離詰めるのは簡単。

でも。

今はまだ早い。

だから。

「ベッドで寝ていいよ」

そう言った。

案の定、固まる。

で、あの顔。

「……期待した?」

ちょっと意地悪言ったら、すぐムキになる。

「してない!」

でも、そうやって必死に否定するのも含めて。

「ほんと可愛い」

そしてチュッとキスをした

このくらいは許されるよな?

だって俺すげぇ我慢してるし。

紗凪の反応は…いうまでもないか。。