トップアイドルは白衣の天使に恋をする

「……ねえ」

少しだけ顔を上げる

「ん?」

「さっきの夜景も、ご飯も……」

言葉を探しながら

「全部、ありがとう」

ちゃんと伝える

すると、一瞬だけ目が柔らかくなる

「どういたしまして」

短い返事

でも、その後

「紗凪が喜んでくれるなら、いくらでもやる」

そんなことを言うから

また、胸がぎゅっとなる

「ほんと…優しいね」

ぽつりと言うと

「今さら?」

少しだけ笑われる

「……うん」

小さく頷く

「知ってたけど、思ってたより優しい」

そう言うと

一瞬、沈黙

そのあと――

「それ、他のやつには言うなよ」

少し低い声

「…?」

「天然は相変わらずだな
そう言う言葉は俺にしか言っちゃだめだからな!」

ムッとしたその言い方に、思わず笑ってしまう

「わらうな」

どこか意地悪で

でも、優しい

そのまま、また軽く引き寄せられる

さっきより自然に、その距離を受け入れている自分がいた

……安心する

不安も、怖さも

少しずつ溶けていくこの人の隣で

ただ、こうしているだけで