トップアイドルは白衣の天使に恋をする

車は静かに止まった

「着いたよ」

その一言に、少しだけ緊張が強くなる

窓の外を見ると、落ち着いた雰囲気のマンション

久しぶりだ…

胸がドキドキする

ドアを開けてもらって外に出ると、自然に手を引かれる

エントランスを抜けて、エレベーターへ

無言の時間

でも、その沈黙すら少し甘くて

部屋の前で止まる

鍵を開けて――

「どうぞ」

そう言って、先に中へ入れてくれる

「お邪魔します……」

少し緊張しながら足を踏み入れる

中は、シンプルで落ち着いた空間

あの時のまんま

「適当に座って」

そう言って、上着を脱ぐ陽貴くん

私はソファにそっと座る

なんか……現実感ない

さっきまで普通に夜景見てたのに

今は、この人の家にいる

「なに緊張してんの?」

ふいに、すぐ近くから声

顔を上げると、もう目の前にいた

「…してないよ…」

反射的に言うけど

「してる」

すぐに見抜かれる

そのまま、隣に腰を下ろされる

距離が近い

一気に心臓がうるさくなる

「ほら」

軽く腕を引かれて

そのまま、肩に寄せられる

「え、ちょ……」

「いいから」

低い声

でも、どこか優しくて

そのまま、ぽんぽんと頭を撫でられる

「……今日、頑張ったじゃん」

静かな声

その一言で、胸がじんわりする

「無理してたの知ってるし」

さらっと言われて、言葉が詰まる

「でもちゃんと外出て、笑ってた」

「……」

「偉いよ」

優しく言われて

不意に、力が抜ける

「……なんか」

ぽつりと呟く

「甘やかされてる気がする」

すると、少しだけ笑う気配

「うん、甘やかしてる」

あっさり言われる

思わず顔を上げると、少しだけ目が合う

その距離の近さに、またドキッとする

「……なんで」

小さく聞くと

「したいから」

シンプルな答え

「紗凪が頑張ってるの知ってるし」

少しだけ真面目な声

「俺といる時ぐらい、力抜いて」

その言葉に、胸が温かくなる

「……うん」

小さく頷くと

そのまま、そっと抱き寄せられる

さっきよりも、少し強く

でも、優しく

「……落ち着く?」

耳元で聞かれる

「……うん」

素直に答える

本当に、不思議なくらい落ち着く

「よかった」

そのまま、また頭を撫でられる

指先が優しくて

それだけで、安心する