トップアイドルは白衣の天使に恋をする

「大丈夫そうだった?」

今度は優朔。

さっきより少し真面目な声。

「……まあな」

軽く答える。

「落ち込んではいたけど」

「そりゃそうだよな」

蒼依が頷く。

「でも立ちなおれる」

そう言うと、優朔が少しだけ安心したように息を吐いた。

「ならよかった」

「陽貴さんが行ったなら大丈夫っしょ」

奏がにやにやしながら言う。

「なにそれ」

「いや、なんかもうそういう感じじゃないですか」

「どういう感じだよ」

「“俺のもん”感」

「は?」

思わず低い声が出る。

「図星っすね」

軽く小突くと、奏が笑いながら避ける。

「てかさ」

蒼依が話を戻す。

「今日の件、普通に変じゃないっすか?」

その一言で、空気が少し変わる。

「それな」

優朔も腕を組む。

「現場でも皆口揃えて言ってた。
“一ノ瀬さんがそれはない”って」

「俺もそう思う」

自然と即答してた。

「ありえねぇだろ」

あいつがそんなミスするわけない。

「物品抜けてたんだっけ?」

蒼依が確認する。

「アドレナリンとルートって言ってたよね。
多分すごく大切なやつ」

優朔が答える。

「そんな抜け方、あいつがするか?」

「しないっすね」

奏も真面目な顔になる。

「見てる感じ、めちゃくちゃちゃんとしてる人だし」

「だよな」

俺も小さく頷く