トップアイドルは白衣の天使に恋をする

陽貴side

紗凪の家を出て、夜の空気の中を歩く

さっきまでの温もりが、まだ腕に残ってる気がした

タクシーに乗り込んで、行き先を告げる

走り出した車の中で、ふっと力を抜いた

「……はぁ」

窓の外を流れる景色をぼんやり見ながら、思い出すのは――やっぱり紗凪ちゃん

泣きそうだった顔

でも、最後に見せたあの少しだけ安心した表情

「……彼女、か」

小さく呟く

その瞬間、自然と頬が緩む

告白、受け入れてくれた

ちゃんと俺を選んでくれた

それだけで、なんか全部報われた気がして

「……やば、にやけてる」

自分で気づいて、苦笑する

スマホを取り出して、短く打つ

“おやすみ、ゆっくり休んで”

送信

それだけで、少しだけ安心する

「……よし」

軽く息を吐いて、背もたれに体を預けた

――