「救急車到着まで約3分です。そのまま対応を続けてください」
「了解です」
その直後。
患者の体から、力が抜けた。
ぴくりとも動かない。
やばい
空気が一気に張り詰める。
「分かりますか?聞こえますか?」
女性は頸動脈に手を当てた。
そして、即座に言う。
「頸動脈触知せず。心停止。胸骨圧迫開始します」
迷いがない。
次の瞬間には、もう胸骨圧迫を始めていた。
リズムよく、正確に、強く。
その姿に——
息を飲む。
ドラマとは、全然違う。
命を、繋ぎ止めようとしてる。
「え、やばくない?」
「初めて見た……」
「動画撮っとこ……」
周囲がざわつく。
スマホを向ける人間もいる。
……クソだな
