紗凪side
逃げるように撮影現場を飛び出し、気づいたら屋上まで来ていた
扉を押し開けて、外に出る
冷たい風が頬に当たるのに、何も感じない
足がふらつく
そのまま、その場にしゃがみ込んだ
「……っ」
息がうまくできない
胸が苦しい
手が震える
止まらない
なんで……
頭の中で、同じ言葉がぐるぐる回る
ちゃんと確認したのに
なんでなかったの……
視界が滲む
気づいた時には、涙がぽたぽたと落ちていた
「……やだ……」
小さく声が漏れる
こんなミス、ありえない
患者さん、危なかった
もし、あのまま……って考えたら
「……怖い」
ぽつりとこぼれる
手が、さらに震える
自分が信じられない
今まで積み上げてきたものが、一気に崩れたみたいで
「……やだ……」
首を振る
でも、止まらない
怖い
自信が、なくなる
どうしたらいいのか分からない
どうにかなりそう
そのとき
――ふわっ、と
後ろから、包み込まれる感覚
「……っ」
一瞬、身体が強張る
でも
すぐに分かった
顔を見なくても
この距離
この温度
そして――
ほんのり甘い匂い
逃げるように撮影現場を飛び出し、気づいたら屋上まで来ていた
扉を押し開けて、外に出る
冷たい風が頬に当たるのに、何も感じない
足がふらつく
そのまま、その場にしゃがみ込んだ
「……っ」
息がうまくできない
胸が苦しい
手が震える
止まらない
なんで……
頭の中で、同じ言葉がぐるぐる回る
ちゃんと確認したのに
なんでなかったの……
視界が滲む
気づいた時には、涙がぽたぽたと落ちていた
「……やだ……」
小さく声が漏れる
こんなミス、ありえない
患者さん、危なかった
もし、あのまま……って考えたら
「……怖い」
ぽつりとこぼれる
手が、さらに震える
自分が信じられない
今まで積み上げてきたものが、一気に崩れたみたいで
「……やだ……」
首を振る
でも、止まらない
怖い
自信が、なくなる
どうしたらいいのか分からない
どうにかなりそう
そのとき
――ふわっ、と
後ろから、包み込まれる感覚
「……っ」
一瞬、身体が強張る
でも
すぐに分かった
顔を見なくても
この距離
この温度
そして――
ほんのり甘い匂い
