トップアイドルは白衣の天使に恋をする


「同じ失敗、二度とするな」

はっきりと言い切られる

逃げ場のない言葉

「現場は一回で命が決まる」

「……はい」

声がうまく出ない

「お前なら分かってるはずだろ」

そう言われて、胸が締め付けられる

分かってる

だからこそ、きつい

「……すみません」

絞り出すように言うと、ドクターは一瞬だけ視線を外した

「……次、ちゃんとやれ」

それだけ残して、背を向ける






――そのまま、撮影現場へ戻る

足が重い

頭の中がぐちゃぐちゃで、何も整理できない

ちゃんと確認したのに

なんで……

なんでなかったの……

考えても答えは出ない

でも

“なかった”のは事実

それが全て

現場に戻ると、ちょうど休憩中だった

視線が、一斉に集まる

「一ノ瀬さん、お疲れ様でした!」

林くんがいつも通り、にこっと笑って近づいてくる


その顔を見た瞬間

ダメだった

「……あれ?」

林くんの表情が少し変わる

私の顔を見て、何かを感じ取ったみたいに

「一ノ瀬さん……?」

その声を聞いた瞬間

堪えていたものが、一気に溢れそうになる

身体が震えだす

やばい……

もう、無理

私はその場でくるっと背を向けた

「ごめん……っ」

それだけ言って

現場を飛び出した