トップアイドルは白衣の天使に恋をする

撮影の合間

少しだけ時間が空いて、私は人の少ない廊下を抜けて外へ出た

「はぁ……」

外の空気を吸うと、張り詰めていた気持ちが少しだけ緩む

やっぱり、緊張する

昨日のこともあって、無意識に気を張っていたみたいで

「お疲れさま」

後ろから、柔らかい声がした

振り返ると、そこにいたのは、優朔さん

「あっ、お疲れさまです!」

慌てて頭を下げると、優朔さんはふっと優しく笑った

「そんな固くならなくていいよ」

その一言だけで、少し肩の力が抜ける

なんだろう、空気がすごく穏やかで、安心する

「コーヒー飲む?」

そう言って、自販機の前に立つ

「え、でも……」

「いいよ俺も今買おうと思ってたし」

さらっと言われて、つい甘えてしまう

「じゃあ……お願いします」

「うん」

ボタンを押す仕草もどこか落ち着いていて、見ているだけでほっとする

「はい」

渡された缶コーヒーを受け取る

「ありがとうございます」

「どういたしまして」

少しだけ間が空く

でも、不思議と気まずくない

むしろ静かな時間が心地いい