トップアイドルは白衣の天使に恋をする

帽子を深く被り、人混みの中へ入る。

倒れているのは、50代くらいの男性。

その隣に、しゃがみ込んで対応している女性。

医者か、看護師か。

少なくとも、素人じゃない。

「何か、僕にできることは?」


声をかけると、


「救急車を、呼んでください」

女性が顔を上げた。

その瞬間——

息が、止まった。

目が離せない。

色白の肌。大きな瞳。整いすぎた輪郭。

少し茶色がかった髪が、ライトに照らされて柔らかく光っている。

こんな状況じゃなければ。

いや、こんな状況だからこそか。

異様なほどに、その存在だけが浮き上がって見えた。

……綺麗すぎだろ

一瞬、全部忘れそうになる。