トップアイドルは白衣の天使に恋をする

そんな会話をしていた、その時

胡桃がこっちに気づいた


「えっ♡ 陽貴くぅ〜ん!」


一瞬で声色が変わる

さっきまでスタッフ怒鳴ってた人と同一人物とは思えない

ヒールの音を鳴らしながら一直線にこっちへ来る

そして

「やっと来たぁ〜♡」

ぎゅうっと俺のに抱きついた

……うわキモ

しかも胸をこれでもかと押し付けている

「今日さぁ、朝から最悪だったんだけど〜」

甘ったるい声

猫撫で声ってこういうのを言うんだろうな

「……そう」

王子様キャラの俺は苦笑いするしかない

こいつは気づいてないのか、さらにベタベタと身体を寄せる

ほんと勘弁してくれ…

なんでこんな女がヒロインなんだよ…

「ねぇねぇ今日終わったらご飯行こ〜?」

「ごめん用事があるんだ」

即答

それでもめげない

「え〜なんでぇ?」

……すごい鋼のメンタルだな

隣を見ると蒼依が完全に引いた顔をしていた

「うわぁ……」

奏は苦笑い

優朔に至っては、静かにため息をついている

そして俺はというと

ただただ、めんどくせぇ香水くせぇよ離れろよ




その一言に尽きた