トップアイドルは白衣の天使に恋をする

——その時。

「そこのあなた!救急車、呼べましたか!?」

また、あの声。

透き通るように綺麗で、それでいて切迫している。

足が止まった。

振り返る。

どうやら周囲はパニック状態で、まだ誰も対応できていない。

「お願いです、落ち着いて……!救急車を呼んでください。このままだと患者さんが危ないです!」

焦りを抑えようとしているのがわかる声。

「きゅ、救急車……えっと……110?119?えっと……」

男がスマホを握りしめたまま固まっている。

「ちょっ……陽貴」

気づいた時には、もう体が動いていた。