しかし一番の問題は場所…
路上のステージの問題だった。
『ここ以外』? そんなもの…。
「私には…ここしかないんです」
私は顔を上げて男の子の目を見て言った。
今までの弱々しい口調ではなく、
雪にまで響くような強く張りのある
─── ソプラノの声。
此処でやる以外のライブは
私のライブではなくなる。
此処以外では私は、私のことを
見つけることができないのだから…。
男の子の不思議そうな視線が
しばらく私の顔に向けられる。
そして彼は口を開く。
「君の歌は…ここでしか聞けないの ?
そんなことないだろ。
君の歌を聞きたい人、きっといる。
なのにどうして… ? 」
路上のステージの問題だった。
『ここ以外』? そんなもの…。
「私には…ここしかないんです」
私は顔を上げて男の子の目を見て言った。
今までの弱々しい口調ではなく、
雪にまで響くような強く張りのある
─── ソプラノの声。
此処でやる以外のライブは
私のライブではなくなる。
此処以外では私は、私のことを
見つけることができないのだから…。
男の子の不思議そうな視線が
しばらく私の顔に向けられる。
そして彼は口を開く。
「君の歌は…ここでしか聞けないの ?
そんなことないだろ。
君の歌を聞きたい人、きっといる。
なのにどうして… ? 」
