歌姫の場所。

ようやく学校が終わった。
「真白ー!ゲーセン寄らな…
って、今日は真白クンの
バッドお付き合いデイだったな」

「確かに今日は寄り道しねえけど…
お前もっと英語勉強しろよ」

俺、原田 真白(はらだ ましろ)は
親友からの寄り道の誘いを断っていた。

いつもなら大好きなゲームセンターなら
興奮しながら男で集団を作っていく所だが
今日、…金曜日だけは行く所がある。
それは毎週のことであったので
そろそろ友達もそれに慣れつつある様だ。

「それじゃ、…毎週毎週、悪いな」
「気にすんな!お前の分まで楽しむ!!」
なんだそれ、と軽く笑って教室を出た。

今日は粉雪が降っていて肌寒い。
こんな日にあそこはぴったりだろう。
暖房が利いているゲームセンターとは
違い、心が温まる俺の癒しとなる場所…。