バッグを手に取り玄関へ向かう。
靴箱の上のキーケースに手を伸ばしたその時、スマホが鳴った。表示された名前を見て、一瞬ドキッとする。深呼吸をしてから通話ボタンをタップした。
『もしもし? クロか? ちゃんと起きてるな』
電話の向こうからシロ先輩の声がする。私は努めて平静に、明るい声で返した。
「もちろんですよ。どうしました? 急用ですか?」
『いや、休日出勤なんてなかなかないからさ。寝坊とかしてないよなと思って』
思わず苦笑いが漏れる。確かに休日出勤は入社して初めてだが、社会人ならこういう日もある。
「シロ先輩、私だってそれなりに社会人やってるんですよ。心配無用です。今から家を出るので、時間前には着きます。それでは現地で」
『お、おう。気をつけてこいよ』
電話を切り、家を出た。
容赦ない夏の陽射しが目に刺さり、一瞬目を細める。雲ひとつない快晴だ。
駅へ向かいながら、シロ先輩のことを思い浮かべる。
(さっきの電話……私が寝坊して遅れると思ってたってことだよね? 私って、先輩の中でそんなに子供っぽいのかなぁ)
そう思うと胸の奥がきゅんと疼いた。
少しガッカリしながら駅のホームに立つ。電車が来たので乗り込んだ。
緑の木々。白いビル。遠くに浮かぶ入道雲。
ゆっくりと景色を眺めていると、時間を忘れそうになる。しかし今日だけは時間に追われていなければならない。
なぜなら、今日は私たちの企画が実現する日なのだから。
目的の駅で降り、改札を抜けて待ち合わせ場所へ向かう。駅前には、すでにシロ先輩の姿があった。
「おはようございます。朝から連絡をくれただけあって早いですね」
声をかけると、シロ先輩は私の方を向き、ニヤッと笑った。
靴箱の上のキーケースに手を伸ばしたその時、スマホが鳴った。表示された名前を見て、一瞬ドキッとする。深呼吸をしてから通話ボタンをタップした。
『もしもし? クロか? ちゃんと起きてるな』
電話の向こうからシロ先輩の声がする。私は努めて平静に、明るい声で返した。
「もちろんですよ。どうしました? 急用ですか?」
『いや、休日出勤なんてなかなかないからさ。寝坊とかしてないよなと思って』
思わず苦笑いが漏れる。確かに休日出勤は入社して初めてだが、社会人ならこういう日もある。
「シロ先輩、私だってそれなりに社会人やってるんですよ。心配無用です。今から家を出るので、時間前には着きます。それでは現地で」
『お、おう。気をつけてこいよ』
電話を切り、家を出た。
容赦ない夏の陽射しが目に刺さり、一瞬目を細める。雲ひとつない快晴だ。
駅へ向かいながら、シロ先輩のことを思い浮かべる。
(さっきの電話……私が寝坊して遅れると思ってたってことだよね? 私って、先輩の中でそんなに子供っぽいのかなぁ)
そう思うと胸の奥がきゅんと疼いた。
少しガッカリしながら駅のホームに立つ。電車が来たので乗り込んだ。
緑の木々。白いビル。遠くに浮かぶ入道雲。
ゆっくりと景色を眺めていると、時間を忘れそうになる。しかし今日だけは時間に追われていなければならない。
なぜなら、今日は私たちの企画が実現する日なのだから。
目的の駅で降り、改札を抜けて待ち合わせ場所へ向かう。駅前には、すでにシロ先輩の姿があった。
「おはようございます。朝から連絡をくれただけあって早いですね」
声をかけると、シロ先輩は私の方を向き、ニヤッと笑った。
