「卒業のお祝いみたいですね」
「……だな」
シロ先輩の視線につられて、私も女子高生たちへ目を向ける。オープン席でテーブルを囲む彼女たちの表情がよく見えた。どの子も楽しげだ。
ステップアップし、新たな場へ飛び込む。夢や希望を抱いているから、自然と笑顔も溢れる。本来、卒業とはそういうものだろう。
私のように卒業を憂鬱に感じる人は、きっとごく少数だ。
そんなことを考えていると、コンコンと控えめに机を叩く音がした。
「クロ。いくらあいつらがうるせぇからって、そんなに睨んでやるな」
半笑いの揶揄い口調でシロ先輩に指摘され、私は慌てて彼女たちから視線を外す。誤魔化すようにコップを手に取り、水を飲んだ。
「睨んでませんってば。楽しそうでいいなと思っただけです。そういうシロ先輩こそ、『うるせぇ』ってはっきり言っちゃってますけど?」
「ああ。うるせぇ。俺、昔から女子のあの感じ苦手なんだわ」
眉間に皺を寄せ、本当に嫌そうに顔をしかめるシロ先輩を見て、私は意外に思った。
シロ先輩はぶっきらぼうで少々口は悪いが、男女問わず誰とでも明け透けなく言葉を交わす人で、その姿を私は会社で毎日のように目にしているからだ。
「シロ先輩が女子苦手とか意外なんですけど? 会社で普通に女子社員と話してますよね? ってか、私も女子なんですけど?」
「はぁ? お前、自分が女子高生と同じだと思ってるのかよ? 歳を考えろ、歳を」
私の物言いを、シロ先輩は呆れたように突き返す。
その態度に、私は瞬時に頬を膨らませた。確かに、現役女子高生と社会人になって数年経つ私では鮮度が違うのだろうけれど。
「確かにそれなりの歳ですけど、私だって女子なんですけど」
小さく唇を尖らせ、ブツブツと文句を言う。そんな私に、シロ先輩は面倒くさそうにため息を吐いた。
「はぁ? お前は、あんな『自分たちが世界の中心です』みたいな常識知らずのお子様と同じに見られたいのかよ?」
「ちょっ……先輩、言い過ぎですよ」
不貞腐れていた私は、シロ先輩の言葉に思わず慌てる。聞こえてしまったのではとビクつきながら女子高生たちの方へ視線を向けたが、彼女たちは相変わらず自分たちの会話に夢中で、こちらの声など聞こえていないようだった。
ちょうど店員が注文した品を運んできたので、その陰に隠れて安堵の息を漏らす。
「……だな」
シロ先輩の視線につられて、私も女子高生たちへ目を向ける。オープン席でテーブルを囲む彼女たちの表情がよく見えた。どの子も楽しげだ。
ステップアップし、新たな場へ飛び込む。夢や希望を抱いているから、自然と笑顔も溢れる。本来、卒業とはそういうものだろう。
私のように卒業を憂鬱に感じる人は、きっとごく少数だ。
そんなことを考えていると、コンコンと控えめに机を叩く音がした。
「クロ。いくらあいつらがうるせぇからって、そんなに睨んでやるな」
半笑いの揶揄い口調でシロ先輩に指摘され、私は慌てて彼女たちから視線を外す。誤魔化すようにコップを手に取り、水を飲んだ。
「睨んでませんってば。楽しそうでいいなと思っただけです。そういうシロ先輩こそ、『うるせぇ』ってはっきり言っちゃってますけど?」
「ああ。うるせぇ。俺、昔から女子のあの感じ苦手なんだわ」
眉間に皺を寄せ、本当に嫌そうに顔をしかめるシロ先輩を見て、私は意外に思った。
シロ先輩はぶっきらぼうで少々口は悪いが、男女問わず誰とでも明け透けなく言葉を交わす人で、その姿を私は会社で毎日のように目にしているからだ。
「シロ先輩が女子苦手とか意外なんですけど? 会社で普通に女子社員と話してますよね? ってか、私も女子なんですけど?」
「はぁ? お前、自分が女子高生と同じだと思ってるのかよ? 歳を考えろ、歳を」
私の物言いを、シロ先輩は呆れたように突き返す。
その態度に、私は瞬時に頬を膨らませた。確かに、現役女子高生と社会人になって数年経つ私では鮮度が違うのだろうけれど。
「確かにそれなりの歳ですけど、私だって女子なんですけど」
小さく唇を尖らせ、ブツブツと文句を言う。そんな私に、シロ先輩は面倒くさそうにため息を吐いた。
「はぁ? お前は、あんな『自分たちが世界の中心です』みたいな常識知らずのお子様と同じに見られたいのかよ?」
「ちょっ……先輩、言い過ぎですよ」
不貞腐れていた私は、シロ先輩の言葉に思わず慌てる。聞こえてしまったのではとビクつきながら女子高生たちの方へ視線を向けたが、彼女たちは相変わらず自分たちの会話に夢中で、こちらの声など聞こえていないようだった。
ちょうど店員が注文した品を運んできたので、その陰に隠れて安堵の息を漏らす。
