「はぁ~? うっせ。そんなことあるか」
ケラケラと笑う白谷吟に、酔っ払いのシロ先輩は遠慮なく突っ掛かる。
私は、爽やかイケメンの発言と酔っ払いの妄言に心を乱されながらも、慌てて仲裁に入った。
「ま、まあまあ、シロ先輩、落ち着いてください」
「なんだぁ? クロは吟の肩を持つのかぁ~?」
「肩を持つとか、そういうことじゃなくて」
「矢城さん、大丈夫だよ。史郎は酔うといつもこんな感じだから。適当にからかって遊べばいいよ」
爽やかイケメンはさも当然のようにニコニコしているが、よく考えると、この人のシロ先輩への扱いは雑すぎるのではないだろうか。
「いつもって。シロ先輩と白谷先輩って、確か同期でしたよね?」
「うん。同期。というか、腐れ縁かな」
「腐れ縁?」
「そう。僕と史郎は、幼馴染なんだよ」
確かに普段から仲が良いとは思っていたけれど、まさか幼馴染だったとは。それで、こんなに雑な扱いなのか。
驚いてシロ先輩を見ると、酔いが回りすぎたのか椅子にもたれてウトウトしていた。
白谷吟は、そんなシロ先輩の前からスッと空のジョッキや皿を片付ける。呆れたように彼に向けられたその眼差しは同期や幼馴染というより、まるで兄が危なっかしい弟を見ているようだった。
「なんか白谷先輩、シロ先輩のお兄さんみたいですね」
「あはは。そうかな。まあ、ずっと史郎の世話を焼いていたから、いつの間にかそんな感じになっちゃったのかも」
サラッと笑うその笑顔は、私と歳が1つしか違わないのにどこか余裕があって大人びて見えた。
「いつ頃から一緒にいるんですか?」
「ん~、そうだなぁ。史郎が僕の家の隣に引っ越してきたのが小四のときだから、それからの付き合いかな。小・中・高が一緒って話はよくあると思うけど、僕らは大学も会社もずっと一緒」
「ええっ? それって、二人で相談して決めたってことですか?」
唐揚げへと伸ばしかけていた手を止め、私は丸くした目で白谷吟を見つめた。
相変わらず穏やかな笑顔を見せる白谷吟は、私と同じくらいには酒を飲んでいるはずなのにまったく酔いを感じさせず、平然と首を振った。
「僕たちは、進路で話し合ったことは一度もないんだ。進路はいつもそれぞれが自分で決めて……お互い目指す先を聞いてびっくりするってことの繰り返し」
ケラケラと笑う白谷吟に、酔っ払いのシロ先輩は遠慮なく突っ掛かる。
私は、爽やかイケメンの発言と酔っ払いの妄言に心を乱されながらも、慌てて仲裁に入った。
「ま、まあまあ、シロ先輩、落ち着いてください」
「なんだぁ? クロは吟の肩を持つのかぁ~?」
「肩を持つとか、そういうことじゃなくて」
「矢城さん、大丈夫だよ。史郎は酔うといつもこんな感じだから。適当にからかって遊べばいいよ」
爽やかイケメンはさも当然のようにニコニコしているが、よく考えると、この人のシロ先輩への扱いは雑すぎるのではないだろうか。
「いつもって。シロ先輩と白谷先輩って、確か同期でしたよね?」
「うん。同期。というか、腐れ縁かな」
「腐れ縁?」
「そう。僕と史郎は、幼馴染なんだよ」
確かに普段から仲が良いとは思っていたけれど、まさか幼馴染だったとは。それで、こんなに雑な扱いなのか。
驚いてシロ先輩を見ると、酔いが回りすぎたのか椅子にもたれてウトウトしていた。
白谷吟は、そんなシロ先輩の前からスッと空のジョッキや皿を片付ける。呆れたように彼に向けられたその眼差しは同期や幼馴染というより、まるで兄が危なっかしい弟を見ているようだった。
「なんか白谷先輩、シロ先輩のお兄さんみたいですね」
「あはは。そうかな。まあ、ずっと史郎の世話を焼いていたから、いつの間にかそんな感じになっちゃったのかも」
サラッと笑うその笑顔は、私と歳が1つしか違わないのにどこか余裕があって大人びて見えた。
「いつ頃から一緒にいるんですか?」
「ん~、そうだなぁ。史郎が僕の家の隣に引っ越してきたのが小四のときだから、それからの付き合いかな。小・中・高が一緒って話はよくあると思うけど、僕らは大学も会社もずっと一緒」
「ええっ? それって、二人で相談して決めたってことですか?」
唐揚げへと伸ばしかけていた手を止め、私は丸くした目で白谷吟を見つめた。
相変わらず穏やかな笑顔を見せる白谷吟は、私と同じくらいには酒を飲んでいるはずなのにまったく酔いを感じさせず、平然と首を振った。
「僕たちは、進路で話し合ったことは一度もないんだ。進路はいつもそれぞれが自分で決めて……お互い目指す先を聞いてびっくりするってことの繰り返し」
