鎖の呪いと蘇る歌

ある朝、海岸を散策していると、浜辺に一人の女性が倒れていた。黒髪の若い女で、息は浅く、顔は蒼白。リナと一緒に運び、俺たちの隠れ家で介抱した。彼女の名はエマ。目覚めると、怯えた目で俺たちを見た。

「私の心に……鎖が。重い鎖が、みんなを不幸にする呪い……」

エマの話によると、彼女は古い呪いの血統で、心に「鎖の呪い」が宿っていた。それは周囲の人々を精神的に縛り、苦しめるもの。鎖は彼女の内側で成長し、種のように根を張っていた。俺はエマの立場に立って考えた。彼女の痛み、孤独――俺の過去と重なる。
ある夜、エマの胸から淡い光が漏れた。鎖が種に変わる瞬間を目撃したのだ。それが鍵だ。俺は自分の改造された視力を使い、彼女の心の奥を覗いた。白い光を集中させ、鎖を切り離す。根から引き抜き、俺の体内に保管した。改造体だからこそ、耐えられると思った。

「これで……自由に?」

エマは涙を浮かべたが、俺は彼女に絶対に見せないようにした。鶴の恩返しのように、秘密のまま。保管した鎖は俺の中でゆっくり育ち、いつか実になるはずだ。それまで、俺はエマの世話をすることになった。食事を作り、話を聞き、彼女の笑顔を引き出す。学習中だったが、彼女の回復を見守る日々が心地よかった。リナも協力し、三人で穏やかな時間を過ごした。