「さくらってさ、良い名前だな」
「あ、ありがとうございます……」
「ふっ、何で敬語なんだよ」
と、宮山君が微笑んだ。
私の名前を褒めてくれた事より、彼がこんなにも優しく微笑む事に驚いてしまった。
なんだか、ちょっと可愛いかも、なんて思ったり。
「はーい、一限目始めます」
その時、先生が教室に入ってきて、同時に始業のチャイムが鳴った。
この先生は、女性数学教師。
名前は、松田梨花先生。
席替えを提案した張本人であり、くじ引きで席を選ぼうなんて考え出した人でもある。
そのせいで、不良少年と隣同士になんかなってしまった。
しかも、この先生の授業って難しくて分かりにくいんだよなぁ。
「今日も、楽しい数学の授業をやっていきますね。早速ですが、本日は昨日出した宿題の答え合わせから。1人ずつ、解答を発表してもらいます」
よくある、宿題の答えを生徒に言わせるやつ。
これいつも思うけど、先生が答え言ってくれた方が早くない?
何故生徒が答える必要があるんだろう。
「じゃあ、まず目が合った宮山君から……ひっ!?」
何故か1番端の私からじゃなく、その隣の宮山君を当てた先生。
けれど彼が睨んだのか、恐怖で悲鳴を上げた。
