放置され令嬢と無口な氷の侯爵&雪だるま。『す』の続きが言えるまで

今日はクローヴィスに会うのが二度目。
正直、気が乗らない。

(思いっきり不機嫌に振る舞うのだから)

形式だけの挨拶をした。

「ごきげんよう、アズデジェロ侯爵様」

そのあとは目をなるべく合わさないようにした。

「……ああ」

その態度に怯んだのかクローヴィスも返事は短い。

「……」
「……」

気まずいくらいの沈黙が訪れた。

(まぁ、お互い興味なしだとこうなりますよねー)

すると、どこからともなく雪だるまが現れた。

「あらあなた」

雪だるまはフィーネの視界に入ると眉を下げ、困りながら必死に動いている。
構ってくれと言っているようだ。

「どうしたの?」

雪だるまは跳ねてクローヴィスの肩に乗った。
そちらを見るフィーネ、クローヴィスは相変わらず無表情だ。
次に雪だるまはクローヴィス頭の上に乗った。すると、雪だるまは、みるみる大きく膨れていく。

クローヴィスは重さに耐えきれなくなり、机に手をついて前屈みになる。まるでフィーネに頭を下げているような格好だ。
ただただフィーネは驚いて見ているだけだ。

クローヴィスは重さに耐えながらプルプルと震えている。
その震えているのがフィーネにはとにかくおかしい。

フィーネは堪えられず吹いた。

「侯爵様、お加減はいかがですか?」

フィーネはちょっと意地悪で聞いた。