放置され令嬢と無口な氷の侯爵&雪だるま。『す』の続きが言えるまで

「どうした?」
「その雪だるまなのですが……」
「ああ、これか? 精霊がやって来て、預かれと寄越したモノだ」

おそらくただの雪だるまじゃないようだ。雪の精霊の魔法が何か関係しているのかもしれない。

「よければ預かってくれないか?」
「はい」

そう言った瞬間、雪だるまがクローヴィスの肩から跳ねて降りてきた。

思わずフィーネは微笑んだ。

「これからよろしくね」

そう言ったところでフィーネはハッとした。氷の女設定はどこかへ行ってしまったことに気がついた。

『フィーネかわいい』

雪だるまが高い声でそう言った。

「?!」

クローヴィスが顔を背ける。なぜか耳が赤い。
その行動はよくわからないが、フィーネはとりあえず雪だるまにお礼を言った。

そうして少し交流したところでクローヴィスは帰った。