放置され令嬢と無口な氷の侯爵&雪だるま。『す』の続きが言えるまで

それから三日が経つが雪だるまは動かない。
クローヴィスからも連絡はない。

「ねえ、あなた。どうしたら素直になれるか知らない?」

もう動かない雪だるまに話しかけるフィーネ。

(そういえばどんな気持ちで、この雪だるまを作ったのかしら?)

クローヴィスがフィーネと仲良くなりたいから雪だるまを作ったと言っていたのを思い出す。

(雪だるまは少し照れていたわね)

雪だるまを両手に持ってみると少し溶ける。

「居なくなっちゃった……」

寂しくて泣きそうになるフィーネ。

雪だるまに新しい雪を足して整形したあと、皿の上に乗せ金属製のバケツに入れて伯爵邸から歩き始めるフィーネ。

(もっとちゃんとお別れしたかったな……雪だるまにもクローヴィス様にも)

とぼとぼ歩くフィーネ、どこへ向かっているのかわからない。
静かに雪が頭や肩に降り積もる。
いつか見た雪像の所まで辿り着いた。

「あら? こんな氷像あったかしら?」

白鳥、熊、ペガサスなど増えていた。
フィーネはそれを深く考えられる状況じゃないので、バケツを軒の下に置き、とりあえず雪だるまを作り始めた。