放置され令嬢と無口な氷の侯爵&雪だるま。『す』の続きが言えるまで

二人で伯爵邸に向かう。

「フローゼさんって楽しい人ですね」
「……そうか?」
「クローヴィス様ってフローゼさんに一目惚れしたって本当ですか?」
「……もう忘れたな」

少し不機嫌になったクローヴィス。

「あの人の話はもうやめよう」
「良い人ですよ?」
「……」

その反応で何かあったのだと気がついたフィーネ。

「やっぱり、何かあったのですね」
「フィーネが知る必要はない。あの女にはもう二度と近づくな」
「何でそんな言い方するのですか?」

遠くからアンディスの声がした。

「クローヴィス様~!」

走って近寄ってくるアンディス、息を切らしている。

「無事に捕まえました」
「わかったアンディス、それ以上の報告は後にしてくれ」

首を横に振るクローヴィス。

「はい!」

アンディスは一礼して去っていった。

「何ですか? 何があったのですか?」
「フィーネには関係ない!」

フィーネはその一言で突き放されたようで寂しくなる。繋いでいた手を離すフィーネ。

「すまないフィーネ」

フィーネの目に涙が溜まってくる。

「フィーネ」