放置され令嬢と無口な氷の侯爵&雪だるま。『す』の続きが言えるまで

フィーネとクローヴィスと雪だるまは穏やかな日々を送っていたのだがある日の午後こと。

「ちょっと、何でよ?」

フィーネがクローヴィスと話していると伯爵邸の庭に現れたのは何着も服で着膨れした女性だ。

「私と婚約し直すんじゃないの?」
「は?」
「……そんなことは一言も言ってないが。そもそも自分から去って行ったのに今更何の用だ」
「だから戻って来たじゃない。寒くても多少はガマンするわ」
「話が見えないのですが?」

フィーネには二人の話がわからない。

「あら居たの? クローヴィスと婚約したのは私が先なんだからね」
「え?」
「六年も昔のことだ。正式に婚約破棄されて今はもう関係ない」
「だからもう一度しましょ?」
「断る、行こうフィーネ」

クローヴィスはフィーネの手を掴んだ。

「……はい」

伯爵邸に入る。
クローヴィスの背中を眺めるフィーネ。

「あの人は何でしょう?」
「……元婚約者だ」
「そうなのですね」

フィーネは納得する反面、ショックを受ける。

(まあ、そうよね。十三歳年上だものね)