放置され令嬢と無口な氷の侯爵&雪だるま。『す』の続きが言えるまで

露店で買った温かい飲み物を飲む二人。
クローヴィスはフィーネの手を触ろうとしたが、手を引っ込めた。
フィーネはその様子を見て思う。

(この人、戦では歴史に残る働きができるのに恋愛はダメなのね)

どんな人にも苦手なものはあるらしい。

「ずっと三人で居たいですね」

三人というのはフィーネとクローヴィスと雪だるまだ。

「……それが」

クローヴィスが申し訳なさそうに言う。

「その雪だるまは百日しか居られない」
「えっ? 百日経つとどうなるのですか?」
「魔法が解けて普通の雪だるまになる」
「そんな……今何日目ですか?」
「十四日目だ」

この雪だるまが居ないとまた意思の疎通ができなくなるかもしれないし、なにより愛着があるので別れがつらい。

「あなた居なくなっちゃうのね」

フィーネが雪だるまをつついた。