放置され令嬢と無口な氷の侯爵&雪だるま。『す』の続きが言えるまで

クローヴィスから手紙が来るが、返事が書けないでいる。

バルコニーに出ていると雪の精霊が寄ってくる。

「フィーネ、久しぶり」
「皆、元気だった?」

「うん。その子は誰?」
「え?」

雪だるまを指して雪の精霊が質問してきた。

「クローヴィス様の所にあなた達が置いていったんじゃないの?」
「知らなーい」

口々に雪の精霊達が答える。

「どういうこと?」

フィーネは混乱する。
雪の精霊が作った物じゃないとすればこの雪だるまは何だろう。

「でも私に魔法かけてくれたわよね?」
「うん! 幸せになる魔法だよ!」
「あら、ありがとう」

そう言われたが、どちらかと言えばどん底な気分だ。

(そんなことよりこの雪だるまは誰の仕業?)

「あなたは誰?」

フィーネは雪だるまに聞いた。

『ボクはスラ。クローヴィスに呼ばれた』
「そうなの」

クローヴィスは精霊が寄越したと言っていたが嘘のようだ。
この雪だるまはクローヴィスの魔法で作られているらしい。

『フィーネ、クローヴィス許して』
「それは難しいわ」
『どうして?』
「そうだよ。どうして?」

雪だるまと雪の精霊に詰められ、フィーネはたじろぐ。この子達だけには正直に答えるしかないだろう。

「寂しいの。大事にされないし。この先もずっとこの調子だと思うと、一人のほうがマシだわ」