きっと、夏のこと

「トイレ行くからちょっとまってて」


彼女の言葉にうなずいて、扉の前に立ち尽くした。



人の少なくなった教室は少し暗く、一番最初の不気味さが戻ってきそうだった。




まっきーが通りかかって

「おつかれさま、勉強つまったらここ来ていいよ」


なんて冗談ぽくいう。


「あ、あの、もしよかったらメールアドレス教えてくれませんか?」


自分のものじゃないみたいな声が聞こえた。


「メール、あんま使わないから、LINE交換しない?」


「は、はい!」


急いでQRコードを差し出す。



「本当にありがとうございました」


なんてずっと感謝する私に、まっきーはまたねっていって遠ざかっていった。